その後の出来事は、
祖母自身が書き残した一通の便箋に綴られていた。
電報で出撃を知ると、
居ても立ってもいられず飛行場へ向かったこと・
整備兵に事情を説明し、
特別に中へ通されたこと。
将校はすでに搭乗し、
前方を見つめていたが、
祖母の姿に気づくと、
驚いたように目を
見開き、やがて静かに微笑んだこと——
それが、恋人へ向けた最後の笑顔だったこと。
発進命令が下り、
一機また一機と滑走路を駆け抜けていく。
祖母は懸命に手を振った。
前方を飛ぶ一機が、
左右に小さく翼を振った。
将校の機だった。
機影は雲の彼方へ消えていった。
便箋の文字は、そこで途切れていた。
(四部に続く)

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